サムライウォレット共同創業者ウィリアム・ヒル、マネーロンダリング関与で懲役4年の判決

サムライウォレット共同創業者にマネーロンダリング関与で懲役4年の判決

プライバシー重視の仮想通貨プラットフォーム サムライウォレット （Samourai Wallet）の共同創業者は、無認可の送金事業を運営した罪で連邦刑務所で 懲役4年の刑 を言い渡された。

ビットコインミキシングサービスを提供するサムライウォレットの共同創業者であるウィリアム・ヒル（William Hill）容疑者は、2億3,700万ドル（約372億円）を超える犯罪収益を故意に取り扱った送金事業を運営したとして、懲役4年の判決を受けた。サムライウォレットは、取引のプライバシーを強化し、資金の出所を隠蔽（いんぺい）するためにビットコインミキシングサービスを提供していた。

2025年11月19日（水曜日）付の裁判所文書によると、同容疑者は、共同創業者であるケオン・ロドリゲス（Keonne Rodriguez）容疑者が今年初めに受けた最高刑5年の刑よりも軽い刑罰となった。検察はヒル氏が高齢である事と、最近自閉症と診断されたことを量刑の酌量要素として挙げていた。

判決までの経緯

両容疑者は今年7月、無認可の送金事業を運営する共謀の罪を認め、司法取引により、両被告に対して提起されていたマネーロンダリングの容疑は取り下げられた。

DOJ （米国司法省）は、サムライウォレットがダークネット市場、仮想通貨ハッキング、その他の犯罪行為に関連する資金を含む、2億3,700万ドル以上の違法取引を助長したと述べた。

検察は、両容疑者らが、コインミキシングサービス「Whirlpool」や取引難読化ツール「Ricochet」など、サムライウォレットのプライバシー機能を設計・宣伝し、違法資金の出所を隠蔽しようとするユーザーを引き付けようとしたと主張。裁判所の文書では、同プラットフォームのサービスは「エンドツーエンドの資金洗浄パイプライン」と表現されている。

Samourai Walletはユーザーの資金を管理していなかったため、この判決は従来の資金管理契約には該当しない。法曹関係者は、この判決が係争中の訴訟に影響を与え、ブロックチェーン・プライバシー技術に関する将来の規制枠組みを形成する可能性があると指摘している。

この事件は、北朝鮮サイバー軍ラザルス（Lazarus）のような脅威アクターが監視を逃れ、法執行機関の機能を弱めるために利用しているとみられる仮想通貨ミキサーに対する、より広範な連邦捜査の一環であり、ヒル氏への判決は、プライバシー重視のツールを開発する仮想通貨開発者に対する米国政府の継続的な訴追の一環である。