全米認可銀行SoFi、消費者向けに暗号資産取引を開始

米国最大のオンラインレンダーであるフィンテック企業SoFi Technologiesは、火曜日にSoFi Cryptoをローンチし、消費者向けに暗号資産取引を提供する初かつ唯一の全国認可銀行となったと発表しました。

同社はSoFi Cryptoを既存アプリのシームレスな拡張機能として位置付けており、会員はFDIC保険付きの当座預金または普通預金口座から直接デジタル資産を購入でき、他の場所へ資金を移す必要がありません。ユーザーは通常の銀行取引、借入、投資と並行して暗号資産を管理でき、アプリ内の教育コンテンツやステップバイステップのガイドにより、初めて暗号資産を購入する人にもアクセスしやすくしているとSoFiは声明で述べています。

なお、暗号資産およびその他のデジタル資産はFDIC保険の対象外であり、銀行保証もありません。しかし新サービスにより、ユーザーはBitcoin（BTC）、Ethereum（ETH）、Solana（SOL）などを含む「数十種類」の暗号資産の売買・保有が可能になると同社は述べています。

SoFiは以前、2019年にCoinbaseとの提携を通じて暗号資産取引を提供していましたが、2023年にこのサービスは中止されました。今回の新サービスは、7月に予告されていたもので、全国銀行認可取得後、SoFiとして初の直接統合型暗号資産サービスとなります。

「過去2年間、私たちが抱えていた課題の一つが暗号資産でした。暗号資産の売買・保有ができなかったのです」とSoFiのCEO、Anthony Noto氏はCNBCのSquawk Boxで説明しました。「銀行としてそれは許可されていませんでした。しかし今年3月、OCCが解釈書を発表し、SoFiのような銀行が暗号資産を提供することが許可されるようになりました。」

しかしSoFiのCEOは、JPMorgan、Wells Fargo、Bank of Americaのような大手銀行が追随するとは考えていません。その理由として、SoFiのような完全デジタルの「ワンストップショップ」モデルを持たず、会員中心の資金移動活動を軸にしておらず、暗号資産を広範な金融エコシステムにシームレスに統合するためのテックファーストなアーキテクチャも持っていないからだと述べています。

自身の暗号資産投資について、Noto氏はAndrew Ross Sorkin氏に対し、投資可能資産の約3%を暗号資産、主にbitcoinに投じていると語りました。「大局的に見て、私たちはブロックチェーンと暗号資産がAIと同様のテクノロジースーパーサイクルであり、金融システム全体に広がると信じています」と述べました。

SoFi Cryptoは火曜日から段階的に展開され、今後数週間でより多くの会員が利用できるようになります。

消費者の嗜好

SoFiによれば、現在暗号資産を保有している会員の60%が、主要な暗号資産取引所よりもライセンスを持つ銀行で資産の売買・保有を希望しているとのことです。これは、同社の機関レベルのセキュリティとコンプライアンス基準によるものです。

このローンチは、SoFiがブロックチェーン技術を自社製品全体に統合する取り組みの一環でもあり、Lightning Networkを活用した暗号資産対応の国際送金や、2026年に予定されている米ドルステーブルコインの計画も含まれています。さらに、同社は暗号資産を融資やインフラサービスにも組み込み、より安価な借入、迅速な決済、新たな金融機能の実現を目指しています。

「本日は、信頼できるプラットフォーム上で、銀行と暗号資産が一つのアプリで出会う画期的な瞬間です。私たちのコアミッションである『会員の資産管理を正しくする』という思いに基づいています」とNoto氏は声明で述べました。「ブロックチェーン技術は、資金移動をより速く、安価で安全にし、人々がより良く借り、投資し、消費し、貯蓄できる新たな方法を開くことで、世界中の金融のあり方を根本的に変えると私は信じています。」

Noto氏の追加コメントを反映して更新。