7月に米国で法案が成立して以来、ステーブルコインの利用量が70%急増！

米国の「Genius Act」可決後、ステーブルコインによる決済量が急増し、8月の取引額は100億ドルを突破しました。そのうち、企業間送金が約3分の2を占め、主要な推進力となっています。

執筆：Ye Huiwen

出典：Wallstreetcn

米国で初めて暗号資産業界を対象とした法律が可決された後、米ドルなどの法定通貨に連動したデジタルトークンであるステーブルコインは、より多くの消費者や企業によって日常の商品購入やサービス決済に利用されつつあります。

ブロックチェーンデータプロバイダーArtemisの最新レポートによると、市場は規制の進展に反応しています。今年7月に「Genius Act」が署名・施行され、ステーブルコインの発行を規制することを目的として以来、現実の場面でのステーブルコインの利用量が増加しています。データによれば、8月にステーブルコインを通じて完了した商品、サービスおよび送金の取引額は約100億ドルに達し、2月の60億ドルから増加しています。

この変化の主な要因は企業側にあります。レポートによると、企業間（B2B）送金は現在、ステーブルコイン決済総額の約3分の2を占めており、一部の企業が従来の国際銀行送金でよく見られる遅延問題を緩和するためにステーブルコインの利用を試み始めていることが反映されています。

ステーブルコイン決済の総額は現時点では依然として従来の決済システムよりはるかに少ないものの、最近の成長は一部の業界関係者の注目を集めています。Artemisの研究者は、現在の利用水準が維持されれば、ステーブルコインの年間決済規模は約1220億ドルに達する可能性があると推定しています。

決済量が増加、年間規模は1,000億ドル超の見込み

Artemisのレポートによると、ステーブルコイン決済活動は最近上昇傾向を示しています。8月の取引額は100億ドルを突破し、2月の60億ドルや前年同期を上回っています。

この変化のタイミングは、米国の関連法案可決後にあたります。ArtemisのデータサイエンティストであるAndrew Van Akenは次のように述べています：

「Genius Act」可決後、ステーブルコインの供給動向には確かに変化が見られました。この法案は利用増加に段階的な影響を与えたと考えています。

毎月の取引額が100億ドル規模で維持されれば、ステーブルコイン決済の年間規模は約1220億ドルに達する見込みです。全体の決済システムに占める割合は依然として小さいものの、この成長傾向は特定の場面でステーブルコインが徐々に受け入れられていることを示しています。

企業決済が主要な成長ポイントに

レポートは、企業間決済が現在、個人間（P2P）取引を上回り、ステーブルコイン決済成長の主な部分となっていると指摘しています。

データによると、企業間送金は毎月約64億ドルに達し、2月以降、増加が顕著です。一方、個人消費者間の取引量は毎月約16億ドルでほぼ安定しています。これは、ステーブルコインの利用場面が個人の少額送金から、一部企業による高額決済へと拡大していることを示しています。

企業がステーブルコインを採用する主な理由は効率向上にあります。Van Akenは、一部の企業が従来の国際送金プロセスに不満を持っており、資金が複数の銀行を経由するため遅延が発生しやすいと述べています。

ステーブルコインは、企業がより迅速に決済を完了できる代替手段を提供します。レポートによれば、企業によるステーブルコイン決済の平均金額は約25万ドルであり、この規模の取引では決済スピードが重要な意味を持ちます。

伝統的な金融機関もこの動向に注目しています。一部の銀行サービスが将来の国際決済業務にステーブルコインの導入を検討しているとの報道もあります。