Trezorが透明なセキュアエレメントを備えた初の量子対応ハードウェアウォレットを発表

Trezorは、世界初の透明なセキュアエレメントと量子対応アーキテクチャを備えた次世代ハードウェアウォレット「Safe 7」を発表しました。

crypto.newsと共有されたプレスリリースによると、TrezorはSafe 7の発売を発表しました。これは、完全に監査可能なセキュアエレメントと量子対応アーキテクチャという、業界初の2つのイノベーションを備えた次世代ハードウェアウォレットです。

このデバイスの中心には、世界初の透明なセキュアエレメント「TROPIC01」が搭載されており、暗号コミュニティがその設計を検証・確認できるようになっています。これは、仕組みが不明な専用ハードウェアを信頼しなければならないという、長年のセキュリティ課題に対応するものです。

Trezorの量子対応ハードウェアウォレット | 出典: Safe 7 | trezor.io

Safe 7はまた、量子対応アーキテクチャで構築されており、将来的にポスト量子セキュリティアップデートをサポートできるようになっています。このウォレットは、将来を見据えたセキュリティとデュアルチップ設計を組み合わせており、プライベートキーを分離しつつ、2.5インチの高解像度カラ―タッチスクリーンで物理的な確認を必要とします。

その他の特徴として、Bluetooth Low Energy接続、Qi2対応ワイヤレス充電、Gorilla Glassで保護された耐久性のあるアルミニウムユニボディ、IP54の防塵・防滴性能があります。このデバイスは、数千種類のコイン、ステーキング、Trezor Suiteプラットフォームを通じたサードパーティ統合に対応しています。Safe 7はCharcoal BlackとBitcoin専用エディションがあり、価格は$249です。

TrezorのSafe 7は、暗号業界が量子コンピューティングの脅威に対してますます懸念を強めている時期に登場しました。量子技術の進歩が加速する中、専門家はデジタル資産を保護する現在の暗号アルゴリズムがいずれ破られ、数十億ドル規模のデジタル資産が危険にさらされる可能性があると警告しています。

「Harvest-Now-Decrypt-Later攻撃はすでに始まっています。敵対的な政府やサイバー犯罪グループは、暗号化されたデータ（医療記録、金融取引、機密情報、プライベートな通信など）を蓄積しており、量子コンピューターがいずれそれを解読すると確信しています」とNaoris Protocolの創設者兼CEOであるDavid Carvalho氏は、最近crypto.newsのインタビューで語りました。

「今後10年以内に、Bitcoinや他のブロックチェーンはポスト量子アルゴリズムへ移行しなければなりません。それは“もし”ではなく“いつ”の問題です。だからこそ、Safe 7には量子対応のブートローダーを搭載しました」とTrezorのCTO、Tomáš Sušanka氏は述べています。

他の企業（例：Qastle）も量子耐性ソリューションの開発を始めており、業界全体で次世代の脅威を事前に見越した動きが広がっていることを示しています。