クラッシュ後、クジラがBTC、ETH、ENAに大口ベットし、立場を明確に

暗号資産市場は、主に下落基調だった1週間を経て、週末にグリーンで締めくくりました。過去24時間で、時価総額は1.1%上昇し、控えめながらも回復の兆しを示しています。

価格が安定する中、暗号資産のクジラたちはデリバティブ市場と現物市場の両方で活発に動き始め、最近のボラティリティを受けて戦略的なポジション調整を行っていることが示唆されました。

クジラの活動が急増、BTC・ETH・ENAで分岐する市場ポジション

デリバティブ市場ではクジラの活動が波のように押し寄せました。トレーダーたちは、Bitcoin（BTC）、Ethereum（ETH）、Ethena（ENA）において、防御的なショートと高レバレッジのロングを交互に使い分け、ボラティリティに先んじようとしています。

オンチェーンアナリストによると、先週BTCをショートしていたクジラが強気に転じました。このクジラは、BTCとETHにまたがって約2億5,000万ドルを保有しています。

このトレーダーのポートフォリオには、1,610.93 BTC（1億7,300万ドル）の15倍ロングポジションと、19,894.21 ETH（7,740万ドル）の3倍ロングポジションが含まれています。以前は1,000万ドルを超える損失を被っていましたが、現在の未実現損失は約310万ドルまで縮小しています。

一方で、逆の戦略を取る投資家もいます。あるクジラは3,000万USDCをHyperliquidに入金し、700 BTC（約7,550万ドル）に対して10倍のショートポジションを開設しました。

「エントリー価格109,133.1ドル、清算価格150,082.9ドル、現在の未実現利益は45.5万ドル」とオンチェーンアナリストが投稿しています。

同じ投資家は、10月11日の暴落時にBitcoinをショートして1億6,000万ドルの利益を上げていました。

弱気ムードを強める動きとして、Andrew Kang関連のウォレットは新たに6,800万ドル分のショートポジションを開設。25倍レバレッジの10,275 ETHと40倍レバレッジの269 BTCが含まれています。

興味深いことに、こうした弱気姿勢にもかかわらず、KangはENAのロングポジションを維持しており、特定のアルトコインに対する選択的な自信を示しています。彼のトレードは過去1週間で約560万ドルの利益を上げたと報じられています。

他のトレーダーも、2大暗号資産をショートしつつENAには強気の姿勢を見せています。Lookonchainのデータによると、0x579fと識別されたクジラは、約7,000万ドル相当のミックスポジションを保有。232 BTC（2,500万ドル）と5,810 ETH（2,270万ドル）のショートに加え、44.79百万ENA（2,130万ドル）のロングポジションを持っています。

それにもかかわらず、ENAに対しても弱気を維持するトレーダーもいます。

新規作成されたウォレットが過去2日間で#Coinbaseから400万USDCを引き出し、ETH（15倍）とENA（10倍）のショートポジションを開設。現在、144万ドルの含み損を抱えています。

— Onchain Lens

10月の暴落後、クジラたちは何を売買したのか？

現物市場でも大口プレイヤーがポートフォリオを再構築し、大きな資金移動が見られました。一部は下落局面で買い増しのチャンスを捉えています。Ethereumのトレジャリー企業BitMineは、最も注目すべき動きの一つとして、15億ドル相当のETHを保有資産に追加しました。

この大規模な買いは、最近の市場の混乱にもかかわらず、Ethereumの長期的なファンダメンタルズに対する機関投資家の信頼が再び高まっていることを示しています。

エルサルバドルは静かにBitcoinの準備金を増やし、過去1週間で8BTCを追加購入しました。この中米の国は現在、合計6,355.18BTCを保有しています。一方、取引所データは全体的な着実な蓄積傾向を反映しています。

主要な中央集権型取引所では、過去1週間で約21,000BTCの純流出が記録されました。Coinbase ProとBinanceがこの傾向をリードし、それぞれ15,000BTCと12,000BTCが引き出されています。

活動は2大暗号資産にとどまりません。Chainlink（LINK）エコシステムでは、新規作成されたウォレットがBinanceから142,428LINK（約240万ドル相当）を引き出しました。

「LINKが蓄積されたようです。12時間以内に892,460LINK（約1,500万ドル）がBinanceから引き出されました。過去1週間では2,310,000LINK（約4,076万ドル）がBinanceから引き出されています」と別のアナリストが報告しています。

デリバティブ市場での高レバレッジポジションと現物市場での着実な蓄積が同時に進行しており、市場は分断されつつもダイナミックな様相を呈しています。一部のクジラはさらなる下落に賭ける一方、他のクジラは静かにポジションを構築しており、10月のボラティリティの最悪期はすでに過ぎたと自信を持っていることが示唆されます。