アバランチのAVAXトークンは火曜日に10％急騰し、33ドルを突破した。仮想通貨市場全体が下落する中での逆行高となった。AVAX価格は直近の安値29ドルから21.5％上昇しており、機関投資家による買いが勢いを生み、AVAXへの信頼が回復したことを示している。
ファンダメンタルズの改善がAVAXを押し上げ
アバランチ財団はAVAXの機関投資家向けの魅力を高めるために複数の施策を講じている。
9月初旬には、米国拠点の仮想通貨トレジャリー企業2社が総額10億ドル以上を調達し、財団の準備金から数百万枚のAVAXを割引価格で取得する計画みを 発表した 。
1つ目の枠組みはハイブマインド・キャピタルが主導し、アンソニー・スカラムッチ氏がアドバイザーを務める。ナスダック上場企業を通じたPIPE取引で5億ドルを目標にしており、月曜日にはアグリフォース・グローイング・システムズがAvaxワンに改称し、5億5000万ドルを調達してAVAXを中心としたトレジャリーを構築する計画を 発表した 。
もう1つは特別買収目的会社（SPAC）によるもので、投資会社ドラゴンフライ・キャピタルが関与し、こちらも5億ドルの調達を目指すと 報じられている 。
これらのトレジャリー企業がAVAXを保有することで、持続的な買い圧力と流動性が生まれることになる。
2月以降、AVAXへの機関投資家の関心は高まっている。スウェーデンの資産運用会社ヴィチューンはフィンランドの投資家向けにAVAX連動のETPを 導入した 。その後、世界的投資会社ヴァンエックがアバランチETFの 申請を行い 、先月にはグレイスケールが既存のアバランチ・トラストをETFに転換する 申請を行った 。こうした動きが機関投資家の波を形成し、市場逆風にもかかわらず直近の価格上昇を後押ししているとみられる。
オンチェーン活動が価格を下支え
アバランチのエコシステムは2025年に入り、技術的アップグレードとアプリケーションの拡大で成長を続けている。4月の 「Octane」アップグレード ではC-Chainの手数料が98％削減され、日次トランザクションは第2四半期に140万件へと急増し、前四半期比で493％増となった。アクティブアドレス数も57％増の4万6397に達した。
8月最終週には全ブロックチェーンの中でトランザクション数の増加率でトップとなり、1週間で66％増加し、8月31日には過去最高の222万件を記録した。直後にやや減少したものの、依然として日次120万件超で高水準を維持している。
総ロック価値（TVL）も4月の10億ドルから倍増し、記事執筆時点で22.3億ドルに達した。Aave（TVL 5億1500万ドル）など主要プロトコルの寄与が大きい。ステーブルコイン時価総額も直近30日で81％増の21.6億ドルに達しており、DeFi採用とネットワーク利用の拡大を示している。
AVAXチャート：ラウンドボトム形成か
日足チャートでは、長期の保ち合い後に現れる典型的な強気反転パターン「ラウンドボトム」が形成されつつある。7月の17ドル近辺から始まったU字型のパターン形成は9月まで続いた。過去24時間の取引量が100％以上増加し、月曜日安値29ドルからの上昇も17％に達しており、売り圧力の枯渇と買い勢力の台頭を示唆する。
このパターンから導かれる最初のターゲットは55ドルで、現在値から61％の上昇となる。日足で明確に55ドルを突破すれば、次のターゲットは212ドルとなり、511％の上昇余地を持つ計算になる。
ただし、RSIがすでに買われ過ぎ水準に近づいており、過去の例では大幅な調整が生じやすいことには注意が必要だ。
AVAX価格はまず直近の36ドルのレジスタンスを突破し、心理的節目の40ドル、さらに55ドルのネックラインを狙えるかどうかが焦点となる。
本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限りません。この記事には投資助言や推奨事項は含まれていません。すべての投資や取引にはリスクが伴い、読者は自身でリサーチを行って決定してください。
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