英国成人の4人に1人が退職プランへの仮想通貨投資に前向きな姿勢が調査で判明

英国成人の退職プランに仮想通貨担保型退職ファンドへの関心が高まる

英国の保険会社Aviva（アビバ）による 最新調査 によると、英国成人の4分の1が退職後のポートフォリオに仮想通貨を組み込む（仮想通貨投資）ことに前向な姿勢であることが明らかになった。

調査会社のCensuswide（センサスワイド）が2025年6月4日から6日にかけて英国の成人2,000人を対象に実施した調査では、27%が年金貯蓄に仮想通貨を組み込むことに前向きであり、そのうち40%以上が主な理由として“高リターンの可能性”を挙げている。この調査結果は、仮想通貨関連の退職プラン（投資商品）へのアクセスが限られているにもかかわらず、英国の3.8兆ポンド（約754.9兆円）規模の年金市場において、デジタル資産への関心が高まっていることが改めて浮き彫りとなった。

年金でリスクを取る意思

この調査によると、回答者の23%が、既存の年金の一部または全部を引き出して仮想通貨に直接投資することを検討すると答えており、この傾向は特に若年層において顕著な傾向があり、25～34歳の約5人に1人が、すでに年金から資金を引き出し、仮想通貨を購入していると認めている。

アビバの調査では、英国では約1,160万人の成人が仮想通貨に投資したことがあり、約3分の2が依然として何らかの形でデジタル資産を保有していると明かしている。

ただし、こうした関心の高まりにもかかわらず、アビバの調査では、セキュリティと規制への懸念が依然として大きな障壁となっており、回答者の41%がハッキングやフィッシングのリスクを挙げ、37%が規制上の安全対策の欠如を指摘している。市場のボラティリティ（※価格変動差）は3番目に大きな懸念事項として挙げられており、回答者の30%が懸念を示している。

アビバのミシェル・ゴルンスカ（Michele Golunska）ウェルス&アドバイザリー部門マネージングディレクターは、近年仮想通貨が魅力的な投資選択肢となっている理由は容易に理解できるものの、年金には依然として大きなメリットがあると述べたうえで、次のように語っている。

古き良き年金の価値を忘れてはなりません。年金には、雇用主による拠出や税制優遇措置など、長期的な経済状況に大きく影響する強力なメリットがあります。

規制圧力と銀行間の摩擦

英国はデジタル資産に対する規制姿勢を慎重に進め始めており、今年（2025年）5月には、政府は消費者保護と透明性を重視し、仮想通貨取引所とディーラーを従来の金融機関と同様のコンプライアンス義務の対象とする枠組案の概要を示した。

その一方で、銀行側には依然として課題が残っており、アビバの報告書によると、調査対象となった仮想通貨投資家の40%が、銀行が仮想通貨プロバイダーへの支払いをブロックまたは遅延させたと回答しており、金融機関の慎重な姿勢が続いていることが示唆されている。