ビットコイン（BTC）マイナーのIRENの株価が水曜日に11.4％上昇し、18.32ドルで取引を終えた。7月の収益が8600万ドルに達し、業界大手のMARAホールディングスをビットコインの生産量で上回ったことが材料となった。
IRENは7月に728BTCを採掘したと 報告しており 、MARAの703BTCを上回った。MARAの展開済ハッシュレートが58.9エクサハッシュ/秒（EH/s）であるのに対し、IRENは50EH/sと小規模ながらも生産性で上回った格好だ。
7月の平均ハッシュレートは45.4EH/sで、マシンの稼働率が高く、月を通じて安定していたことが示唆される。
この好調な業績は、最近のマイニング難易度の上昇による電力消費の増加と収益性低下の圧力が強まる中で達成されたものであり、IRENの効率的な運用体制が際立っている。
時価総額41億ドルで2位に浮上
IREN株は11.4％の上昇で取引を終えた一方、他のビットコインマイナーの株価は概ね1〜5％の上昇にとどまった。
今回のニュースにより、IRENの時価総額は41億1000万ドルとなり、ライオット・プラットフォームズやコア・サイエンティフィックを抜いて、上場ビットコインマイナーの中で2位に浮上した。首位は依然としてMARAが保持している。
MARAは7月の業績こそ前月比でやや落ち込んだが、第2四半期には前年同期比64％増の2億3800万ドルの収益を記録しており、保有するBTCは5万枚と、マイケル・セイラー氏のストラテジーに次ぐ業界2位の規模を誇る。
AI分野への進出も収益貢献
IRENは、8600万ドルのうち230万ドルがAIクラウド事業からの収益だったと明らかにした。この分野は、ビットコインマイニング依存からの脱却を目指す同社の多角化戦略の一環だ。
共同創業者兼CEOのダニエル・ロバーツ氏は、「NvidiaのBlackwell GPUへの関心が加速している」と述べ、7月初旬に2400台を発注し、そのうち256台がすでに納入されたことを明かした。
ロバーツ氏は、ビットコインマイニングリグとAI用GPUを並行して稼働させることで、「インフラの柔軟性と、将来の市場機会に対応する能力が証明された」と述べている。
かつては「過大評価」とも批判されたIREN
今回の好決算は、IRENが空売りファンドのカルパー・リサーチに「極めて過大評価されている」と 批判された 約1年後に発表された。
カルパーは当時、IRENが高性能コンピューティング（HPC）への参入について「大口を叩いているだけで、AI分野で本格的に競争できるような投資はしていない」と指摘。F1のモナコ・グランプリに出場しようとしているのに、トヨタ・プリウスで乗り込んできたようなものだ、と酷評した。
この評価を受けて、IREN株は2024年8月時点の12.31ドルから、2025年4月には5.59ドルまで下落。しかしその後4カ月で227％上昇し、18.32ドルにまで回復している。
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