ビットコイン（BTC）は、近く「重要な」サポートを試す可能性があり、価格は次の局面で11万ドルまで下落するおそれがある──仮想通貨分析企業グラスノードが最新レポートで指摘した。
同社が毎週発行するレポート「ウィーク・オンチェーン」の 最新版 では、BTC価格における新たな“重力点”が示された。
コストベースの空白に価格が引き寄せられる可能性
BTCの短期保有者（保有期間が155日以下の投資家）は、今回の価格調整の引き金になるかもしれない。仮にそうなれば、ビットコイン価格は現在値から7％下落し、11万ドルの水準に向かう展開となる。
短期保有者が新規参入した価格帯がサポートとなる傾向がある。彼らの平均取得価格、すなわち「コストベース」や「実現価格」は、強気市場において重要な指標とされている。
グラスノードは、今月ビットコインが11万ドルから11万5000ドルへ急騰した際、多くの投資家が買い参入する時間的余裕がなかったことを指摘している。
「ビットコインのコストベース分布を分析すると、11万7000ドルから12万2000ドルの範囲に投資家の取得価格が集中していることがわかる。これは、多くの投資家がこの高値圏でビットコインを蓄積していたことを示している」と同社は説明している。
「一方で、現物価格のすぐ下、11万5000ドルから11万ドルのレンジには、コストベースの取引量がほとんど存在しない“空白地帯”がある。これは、価格がこのゾーンを素早く駆け上がったことで、この範囲内で取引される機会がほとんどなかったためだ」
このように取得価格がほとんど存在しないゾーンでは、サポートが期待しにくく、その価格帯を埋めるように値動きが戻る可能性がある。これはCMEのビットコイン先物市場で週末に生じる価格ギャップと同様の構造を持つ。
グラスノードは次のように指摘する。
「すべての空白が埋められるわけではないが、この価格帯には“重力”が存在し、市場が再びサポートを試す動きが出る可能性がある。この領域は、価格が調整に転じた際に注視すべき重要なゾーンとなる」
14万ドルが次のレジスタンスか
短期保有者のコストベースは、より最近参入した投資家グループごとの平均取得価格としても分析可能であり、それぞれが潜在的なサポート水準を形成する。
同時に、こうした水準は、投資家グループごとに含み益が一定の割合に達したタイミング──すなわち売却を検討するポイント──を予測する際にも活用されている。
グラスノードは標準偏差を用いて、BTC/USDが価格発見局面に再突入した場合、14万ドル付近が次の局所的な高値になると分析している。
「仮に市場が力強く上方ブレイクすれば、14万1000ドル付近が次の主要なレジスタンスとなる可能性が高く、+2σ帯と重なるこの領域では、売り圧力が急速に強まると予想される」と同社はまとめている。
本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限りません。この記事には投資助言や推奨事項は含まれていません。すべての投資や取引にはリスクが伴い、読者は自身でリサーチを行って決定してください。
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