ユネスコ世界ジオパークに認定された白山のふもとに拠点を構える老舗紡績企業、北紡（石川県白山市）は22日、暗号資産事業への参入に伴い、第一弾としてビットコインの取得に乗り出すと発表した。総投資額は8億円で、国内の暗号資産交換業者を通じて定期的に購入を進める方針だ。
取得したビットコインの一部については、暗号資産関連事業者への貸し出しを行い、利息収入の確保を図る。これにより、長年にわたって繊維製造を手がけてきた同社は、デジタル資産を通じた新たな財務戦略に舵を切る。
同社はあわせて、2028年12月までにマイニング（採掘）設備や関連インフラへの投資として2億円を計上する見通しも示した。さらに、暗号資産事業の本格的な展開に向け、海外企業、特にアジアの事業者との合弁会社設立を視野に入れている。
国内外で産業のデジタル化が進む中、日本の伝統的製造業が暗号資産を通じて事業領域の拡大を模索する動きが広がっている。アジアにおいても、こうしたクロスボーダー型の取り組みは今後、地域経済や技術連携に新たな波及効果をもたらす可能性がある。
