米下院委員会、CLARITY法案を可決。下院本会議に進む

規制の明確化へ向け前進

米下院農業委員会が、デジタル資産市場構造に関する立法案「デジタル資産市場透明性法案（CLARITY法案）」を6月10日に可決。この法案は翌11日、下院金融サービス委員会でも採択され、下院本会議での審議に進むこととなった。

下院本会議での審議ののち、採決を経て可決されれば、上院へ送付される。上院でも可決されれば、最終的に大統領の署名を経て正式な連邦法となる。

法案は、農業委員会委員長のグレン・“GT”・トンプソン（Glenn “GT” Thompson）議員と、金融サービス委員会委員長のフレンチ・ヒル（French Hill）議員が共同で提出。5月29日に超党派で共同提案された。

法案は、2023年に下院で可決された「21世紀のための金融イノベーション・技術法（Financial Innovation and Technology for the 21st Century Act／FIT21）」を基盤としており、デジタル資産に対する包括的な規制枠組みの整備を目的としている。

また、法案の狙いは、規制の不確実性を解消し、明確なルールを定めることで、米国におけるイノベーション促進と消費者保護を両立させることだ。

主な内容として、規制及び監督機関の明確化などが挙げられた。商品先物取引委員会（CFTC）が「デジタル商品（digital commodities）」を監督し、証券取引委員会（SEC）は「証券（securities）」を監督する。

また、特定の条件を満たすデジタル資産は証券法の適用外とし、一定の条件を満たすブロックチェーンには規制の緩和も提案されている。

さらにステーブルコインの取り扱いについても、発行体に応じた適切な規制機関が監督することが示されている。

また、取引所、ブローカー、ディーラーは、該当する監督機関への登録が義務化される。なお登録には、顧客資産の分別管理、利益相反の開示、適切な記録保持などの要件が含まれる。

また非管理型の暗号資産（仮想通貨）プラットフォームや開発者については、送金事業者や無免許送金サービス業者として扱われないことが修正条項で明確化された。これにより、DeFi（分散型金融）開発者の法的リスクが軽減される見込みだ。

さらに、ユーザーによるデジタル資産の「セルフカストディ（自己保管）」の権利も保護される方針が示されている。

法案の共同提出者には、親クリプト派として知られる下院多数党院内総務トム・エマー（Tom Emmer）議員も名を連ねており、今後の下院審議でも重要な役割を果たすとみられる。

参考： 米下院農業委員会
画像：iStocks/Jon Rehg

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