米国労働省、仮想通貨と401（k）プランの投資メニューに関するバイデン政権時代のガイダンスを撤回

米国労働省が401（k）プランの投資メニューガイダンスを撤回

EESA （労働省従業員給付保障局）は、退職年金制度の運用担当者に対し、401（k）プランの投資メニューに仮想通貨オプションを追加する前に受託者に対し「細心の注意」を払うよう指示した2022年のコンプライアンス支援リリースを正式に 撤回 した。

労働省は2025年5月28日（水曜日）のプレスリリースで、2022年のガイダンスの文言は、EEIA（従業員退職所得保障法）要件や、労働省の「受託者による投資決定に対する歴史的に中立で原則に基づいたアプローチ」に合致していないと主張。ガイダンスを撤回することで、プラン受託者がプランの投資メニューに仮想通貨を含めることに対する中立的な立場を再確認。ロリ・チャベス＝デレマー（Lori Chavez-DeRemer）労働長官は28日の声明で次のように 述べて いる。

バイデン政権の労働省は、自ら決定権を握るという選択をした。投資判断はDCの官僚ではなく受託者（フィデューシャリー）が行うべきだ。バイデン政権の労働省は、自ら決定権を握るという選択をした。われわれはこの行き過ぎた権限行使を撤回し、投資判断はDCの官僚ではなく受託者（フィデューシャリー）が行うべきだと明確にする。

バイデン政権下での401（k）プラン

バイデン政権の労働省は2022年3月、退職年金プランの受託者に対し、401（k）プランの投資メニューに仮想通貨オプションを追加する前に慎重に検討するよう警告していた。

労働者と退職者の保護を任務とする同省が2022年に発表したガイダンスでは、運用会社に対し、投資戦略に暗号資産を追加する前に「細心の注意を払う」よう促している。401（k）プランは一般的に仮想通貨への投資を制限しており、ETF（上場投資信託）、ミューチュアルファンド（請求により随時解約可能な米国での一般的なオープンエンド型投資信託）、または雇用主が承認したオプションを通じた間接的な投資のみを提供していた。

なお、 SEC （米国証券取引委員会）は6月5日に「資産運用における新たなトレンド」に関する大規模な会議を開催する。

28日に発表された労働省の決定は、複数の機関による仮想通貨に関する方針変更の最新のものだ。FDIC（連邦預金保険公社）は3月下旬、金融機関が仮想通貨関連活動に従事する前に同公社への報告を義務付ける基準を撤回し、新たなガイダンスを発表。監督下にある金融機関は、関連するリスクを適切に管理する限り、FDICの事前承認を受けることなく仮想通貨関連の活動に従事できるというものだ。また、4月24日、FDICとFRB（連邦準備制度理事会）は、銀行の仮想通貨への関与に冷や水を浴びせた、銀行が仮想通貨に関与すべきではないという勧告をの警告を撤回した。