ビットコイン（BTC）の上昇の大部分は、現物ビットコインETFの導入以降、米国の取引時間外に発生している。これがトレーダーに利益をもたらす可能性があるかもしれないと、あるアナリストは指摘している。

過去２年間のビットコインの価格推移は米国の取引時間に集中していが、現在のビットコイン価格推移は過去の状況から逆転している。

デジタルリサーチ会社10xリサーチのマルクス・ティーレン氏は、この新たなトレンドが投資家に小さな利益を頻繁に得る機会を与えるとしている。「トレーダーはこの情報を利用し、米国の取引時間前にビットコインを購入し、数時間後に売却することができる」とティーレン氏はコインテレグラフに語った。

4月4日、ビットコインは米国の取引時間外に約2.6%上昇したが、米国の取引時間中の価格上昇は約0.6%にとどまった。ブルームバーグのETFアナリスト、エリック・バルチュナス氏も4月5日のXでの投稿で「現物ビットコインETFが1月11日に導入されて以来のビットコインの40%の上昇の大半が通常の米国の取引時間外に発生した」と指摘した。

米国の取引時間はニューヨーク証券取引所（NYSE）およびナスダック証券取引所の営業時間であり、UTCで午後2時30分から午後9時までにあたる。

BTCは米国の取引時間外で上昇 ビットコインETF登場でトレンドが変化か image 0 Source: Eric Balchunas

ティーレン氏は、「私たちのデータ分析を通じて、ビットコインはその日の米国ETFが取引を開始する1〜4時間前に上昇する傾向があることに気づきました。これはETFのフローの前兆になっている可能性がある」という。

4月4日、ビットコインは米国市場の開始前の4時間でわずか2.6%上昇し、65,593ドルから67,308ドルに上昇した。過去7日間でビットコインの価格は64,940ドルから71,256ドルの間で推移している。

BTCは米国の取引時間外で上昇 ビットコインETF登場でトレンドが変化か image 1 Bitcoin’s price has been hovering around $64,940 and $71,256 over the past 7 days. Source: CoinMarketCap

しかし、ティーレン氏は米国の投資家が現物市場と先物市場の間の市場スプレッドを利用する傾向があると指摘した。「米国の取引時間中の購入フローは主にアービトラージであり、現物ビットコインETFを購入する一方で、ヘッジファンドがCMEに上場されているビットコイン先物を売却している」とティーレン氏は述べた。

現物ビットコインETFの導入前は、アジアの投資家がアジア市場の時間中により多くの売却を行っていると理解されていた。 2022年3月の分析 によれば、アジアに拠点を置く投資家は一般的に売り手であり、米国とEUに拠点を置く投資家は過去2年間で買い手だったという。

本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限りません。この記事には投資助言や推奨事項は含まれていません。すべての投資や取引にはリスクが伴い、読者は自身でリサーチを行って決定してください。